NODA・MAP『Q』:A Night At The Kabuki

8/12 東京芸術劇場プレイハウスでNODA・MAP『Q』:A Night At The Kabuki 作・演出:野田秀樹 音楽:QUEEN youtu.be 12世紀の日本、激しく対立する源氏と平家。その戦下、たった5日間――432,000秒の恋に身を焦がす若き瑯壬生(ろうみお)と愁里愛(じゅりえ)。…

八月納涼歌舞伎 第二部『安政奇聞佃夜嵐』

8/11 歌舞伎座第二部から『安政奇聞佃夜嵐』 安政5(1858)年の初冬、人足寄場で苦役の日々を過ごす青木貞次郎(松本幸四郎)と神谷玄蔵(中村勘九郎)。元は甲州の侍であった青木は、武田信玄の埋蔵金を巡り殺された両親の仇を捜しています。その思いを知る…

『プアン/友だちと呼ばせて』『マルケータ・ラザロヴァー』

8/10 UPLINK吉祥寺で『プアン/友だちと呼ばせて』『マルケータ・ラザロヴァー』 『プアン/友だちと呼ばせて』 NYでバーを経営するボスのもとに、タイで暮らすウードから数年ぶりに電話が入る。白血病で余命宣告を受けたので、最期の頼みを聞いてほしいとい…

NTLive『プライマ・フェイシィ』

8/9 TOHOシネマズ日本橋で、ナショナル・シアター・ライブ『プライマ・フェイシィ』 作:スージー・ミラー 演出:ジャスティン・マーティン youtu.be “プライマ・フェイシィ“ = ※法律用語で「反証しないかぎり一応事実とされること」という意味 主人公のテッ…

『アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台』

7/29 ヒューマントラストシネマ有楽町で『アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台』 youtu.be 囚人たちのために演技のワークショップの講師として招かれたのは、決して順⾵満帆とは⾔えない人生を歩んできた役者のエチエンヌ。彼はサミュエル・ベケット…

シス・カンパニー『ザ・ウェルキン』

7/27 シアターコクーンで『ザ・ウェルキン』 作:ルーシー・カークウッド 演出:加藤拓也 1759年、英国の東部サフォークの田舎町。 人々が75年に一度天空に舞い戻ってくるという彗星を待ちわびる中、一人の少女サリー(大原櫻子)が殺人罪で絞首刑を宣告される…

『夜を走る』

7/26 UPLINK吉祥寺で『夜を走る』 郊外のスクラップ工場で働くふたりの男。 ひとりは40 歳を過ぎて独身、不器用な性格が災いして嫌味な上司から目の敵にされている秋本(足立智充)。 ひとりは妻子との暮らしに飽き足らず、気ままに楽しみながら要領よく世の…

METライブビューイング『ハムレット』

7/20 東劇でMETライブビューイング『ハムレット』 youtu.be これまで私はオペラのキャスト=「歌手」という認識でいたのだけど、この作品を観て思ったのは、彼らは台詞を語る代わりに歌で伝えている「俳優」なのだということだった。素人の耳にも非常に難し…

『グレイマン』

7/19 UPLINK吉祥寺で『グレイマン』 ルッソ兄弟といえばマーベル映画の監督として有名なのだろうけれども、私は「キャプテン・アメリカ」も「アベンジャーズ」シリーズも一作も観たことがない。なのでルッソ兄弟の撮る映画のイメージというものが無い状態で…

劇団献身『最悪な大人』

7/14 新宿シアタートップスで劇団献身『最悪な大人』 作・演出:奥村徹也 かつてフードファイターだった父。大した理由もなく引きこもりがちな息子。これは、2人を繋ぐとある運送屋の、最悪な2、3日の話。 初見の劇団献身。ノンストップナンセンスコメディと…

『エルヴィス』『ベイビー・ブローカー』

7/13 TOHOシネマズ日比谷で『エルヴィス』『ベイビー・ブローカー』 『エルヴィス』 バズ・ラーマン(脚本・監督)がカラフルな映像と旋回するカメラワークで息つく間もなく一気に見せるエルヴィス・プレスリーの半生。主演のオースティン・バトラーはとても…

こまつ座『紙屋町さくらホテル』

7/6 紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAで、こまつ座『紙屋町さくらホテル』 作:井上ひさし 演出:鵜山仁 一人では出来ないこと、一人の人間の力を超えた何か大きな豊かなものとは...。 これは「人間の宝石」が織り成す物語。 昭和20年5月、広島の紙屋町さ…

『室温~夜の音楽~』

629 世田谷パブリックシアターで『室温~夜の音楽~』 作:ケラリーノ・サンドロヴィッチ 演出:河原雅彦 【あらすじ】田舎でふたり暮らしをしているホラー作家・海老沢十三(堀部圭亮)と娘・キオリ(平野綾)。12年前、拉致・監禁の末、集団暴行を受け殺害…

範宙遊泳『ディグ・ディグ・フレイミング! ~私はロボットではありません~』

6/27 東京芸術劇場シアターイーストで範宙遊泳『ディグ・ディグ・フレイミング! ~私はロボットではありません~』 作・演出:山本卓卓 この作品についての記事はこちらの山本卓卓のインタビューがとても分かりやすかったのだけど、 範宙遊泳『ディグ・ディ…

『トップガン マーヴェリック』

6/20 TOHOシネマズ日比谷で『トップガン マーヴェリック』 youtu.be 前作「トップガン」にもトム・クルーズにも私は特段の思い入れがなく、36年ぶりに続編公開と聞いてもそんなに時間が経ったのかという印象しかなかったのだけど、前作を知らなくてもちゃん…

『てなもんや三文オペラ』

6/15 PARCO劇場で『てなもんや三文オペラ』 作・演出:鄭義信 原作:ベルナルト・ブレヒト 音楽:クルト・ヴァイル 1956年(昭和31年)、秋、早朝。猫間川沿いの川岸には、トタン屋根のバラックが肩寄せあっている。その目と鼻の先、川向うに「大阪砲兵工廠」…

NTLive『リーマン・トリロジー』

6/14 TOHOシネマズ日本橋で『リーマン・トリロジー』 作:ステファノ・マッシーニ 翻案:ベン・パワー 演出:サム・メンデス youtu.be 今年の第75回トニー賞で、演劇作品賞、演劇演出賞(サム・メンデス)、演劇主演男優賞(サイモン・ラッセル・ビール)、…

スペクタクルリーディング『バイオーム』

6/10 東京建物 Brillia HALLで、スペクタクルリーディング『バイオーム』 作:上田久美子 演出:一色隆司 わたしをけものと呼ぶのは誰かわたしをにんげんと呼ぶのは誰かそれは事実か真実か虚構か嘘か、庭先に語られる一つも美しくない物語 その家の男の子は…

『貴婦人の来訪』

6/9 新国立劇場小劇場で『貴婦人の来訪』 作:フリードリヒ・デュレンマット 翻訳:小山ゆうな 演出:五戸真理枝 小都市ギュレン。「ゲーテが泊まり、ブラームスが四重奏曲を作った」文化都市も昔の話、今は荒れはて、町全体が貧困に喘いでいる。ある日、こ…

『パンドラの鐘』

6/8 シアターコクーンで『パンドラの鐘』 作:野田秀樹 演出:杉原邦生 太平洋戦争開戦前夜の長崎。ピンカートン財団による古代遺跡の発掘作業が行われている。考古学者カナクギ教授の助手オズは、土深く埋もれていた数々の発掘物から、遠く忘れ去られて古代…

オパンポン創造社『贅沢と幸福』 ほろびて『心白』

2021年のせんがわ劇場演劇コンクールでグランプリ受賞のほろびてとオーディエンス賞受賞のオパンポン創造社。受賞団体はせんがわ劇場主催公演に招待されるとのことで、5/27 オパンポン創造社『贅沢と幸福』、6/2 ほろびて『心白』を観てきた。 どちらも受賞…

『ドライブイン カリフォルニア』

6/1 本多劇場で『ドライブイン カリフォルニア』 作・演出:松尾スズキ 舞台は、裏手に古い竹林が広がるとある田舎町のドライブイン。経営者のアキオ(阿部サダヲ)は妹に対して、兄妹愛と括ってしまうにはあまりにも純粋な思いを抱いていた。妹マリエ(麻生…

『帰らない日曜日』

6/1 UPLINK吉祥寺で『帰らない日曜日』 1924年、初夏のように暖かな3月の日曜日。その日は、イギリス中のメイドが年に一度の里帰りを許される〈母の日〉。けれどニヴン家で働く孤児院育ちのジェーンに帰る家はなかった。そんな彼女のもとへ、秘密の関係を続…

小松台東『シャンドレ』

5/31 三鷹市芸術文化センター星のホールで小松台東『シャンドレ』 作・演出:松本哲也 2020年の初演の舞台は観ていないので今回の再演が初見。4人の俳優で何役も演じ分け、一つの部屋だけで物語が展開するこれまでの小松台東の作品とは趣きが違って、会社の…

イキウメ『関数ドミノ』

5/19 東京芸術劇場シアターイーストで、イキウメ『関数ドミノ』 作・演出:前川知大 ある地方都市で奇妙な交通事故が起こる。見渡しの悪い交差点、車の運転手は歩行者を発見するが、既に停止できる距離ではない。しかし車は歩行者の数センチ手前で、まるで透…

前進座『杜若艶色紫 お六と願哲』

5/19 国立劇場大劇場で前進座『杜若艶色紫 お六と願哲』 作:鶴屋南北 鶴屋南北のこの演目はこれまで観たことがなく、前進座では41年ぶりの上演との事。松竹では20年ほど前に福助さんが演じているらしい。遊女八ツ橋と悪婆お六という対照的な役をひとりの女…

『ロビー・ヒーロー』

5/18 新国立劇場小劇場で『ロビー・ヒーロー』 作:ケネス・ロナーガン 翻訳:浦辺千鶴 演出:桑原裕子 マンハッタンにある高層マンションの広いロビー。 警備担当のジェフは、人生の目的もなくこの仕事についている。クソ真面目で向上心のある上司ウィリア…

『青空は後悔の証し』

5/17 シアタートラムで『青空は後悔の証し』 作・演出:岩松了 パイロットを退職したロウ(風間杜夫)は以前は息子のミキオ(豊原功補)とその妻ソノコ(石田ひかり)と同居していたが三年前に別居し、今は家政婦の玉田(佐藤直子)がロウに仕えている。ロウ…

『みんな我が子 ーAll My Sonsー』

5/11 シアターコクーンで『みんな我が子』 作:アーサー・ミラー 演出:リンゼイ・ポズナー 第二次世界大戦後のアメリカ。戦争特需で財をなしていたジョー・ケラー(堤真一)は、一家で幸せそうに暮らしていた。隣人の医師ジム(山崎一)とも良好な関係だ。…

『死刑にいたる病』

5/10 UPLINK吉祥寺で『死刑にいたる病』 youtu.be 映画の冒頭、タイトルロールが出る前の15分ほどの間に、安部サダヲ演じる連続殺人犯が被害者の少年少女たちを目を背けたくなるような残虐さで拷問する様が描かれて、いきなりこれを見せつけるのかと驚いた。…