劇団献身『最悪な大人』

7/14 新宿シアタートップスで劇団献身『最悪な大人』 作・演出:奥村徹

かつてフードファイターだった父。
大した理由もなく引きこもりがちな息子。
これは、2人を繋ぐとある運送屋の、最悪な2、3日の話。

初見の劇団献身。ノンストップナンセンスコメディと謳っているけれど、父と息子の互いに対する不器用な愛が結構ちゃんと伝わる物語だった。先日観たほろびての舞台でとても良いなと思った加瀬澤拓未が父親役を演じていて、自身の所属劇団でも唯一無二な存在感を発揮している。おもしろ哀しい感じが醸し出される佇まいが何というか気に掛かってしょうがない。テンポよく進む会話の掛け合いでは達者な役者陣が客席の笑いを誘い、高木健と本折最強さとしの安定した仕事ぶりは安心して観ていられる。今後の公演も観るかはたぶん出演者で決めると思うけど、初献身、楽しかった。