範宙遊泳『ディグ・ディグ・フレイミング! ~私はロボットではありません~』

6/27 東京芸術劇場シアターイーストで範宙遊泳『ディグ・ディグ・フレイミング! ~私はロボットではありません~』 作・演出:山本卓卓

この作品についての記事はこちらの山本卓卓のインタビューがとても分かりやすかったのだけど、

範宙遊泳『ディグ・ディグ・フレイミング!〜私はロボットではありません〜』 山本卓卓インタビュー | 演劇最強論-ing

底辺ユーチューバーが炎上を引き起こし、何がいけなかったのかをメンバーが考える場面から始まって、SNS時代の弊害、誰もがあっという間にネット上で攻撃の対象になり、そのために自ら命を落とす人もいるという現実を踏まえて、それでも死んでは駄目だよ、笑って生きていこうよ、と非常に前向きにまっすぐ観客に訴えかける作品だった。ある出来事も立場が違えば見え方も180度違うということ、一方的な判断で他者を排除する身勝手さ、笑うという行為が生きていく中で時には大きな力になること。上記のインタビューにもある通り、人間の嫌な部分とか醜い部分とかを強調して見せつけて観客をどんよりさせるよりも、演劇には人を楽しませて笑顔にすることができるというすばらしさを伝えたいという思いに溢れていた。その目論見通りに大いに笑って、登場人物たちが交わす不器用な優しさにハッとして、エールを送られたように感じる舞台だった。