入江雅人グレート一人芝居『阿佐ヶ谷の狼男』

8/18 APOCシアターで入江雅人グレート一人芝居『阿佐ヶ谷の狼男』 作・演出・出演:入江雅人

今回はいつものパンクスタイルとは違って、照明や音響のスタッフも入った長編一本の上演。ご本人いわく一人芝居の集大成となる“本公演”。小劇場の役者を主人公にした物語で、休憩10分をはさんで2時間、入江雅人が一人で老若男女42役(!)を演じたのだけど、もう本当にすばらしかった。それぞれの人物を細かい仕草や声を使って瞬時に描き出し(ご飯食べる?のお母さんが個人的にすごくツボだった)、舞台上にはパイプ椅子ひとつだけなのに、東京、九州、北海道とさまざまな場所にあっという間に連れていかれる。役者・入江雅人を全身に浴びながら巧いなあと何度も思った。そして何よりもこの作品は演劇に対する愛に満ち溢れていて、おしまいに劇団松田優作が登場するのも最高だった。パンクスタイルの時はカーテンコールは無いのだけど、今回は本公演ということで鳴りやまない拍手に照れくさそうに舞台に出てきて挨拶する姿もとても良かった。今後の一人芝居も楽しみ。