G. Garage///『リチャード三世』

1/27 すみだパークシアター倉で G. Garage///(ジーガレージスリースラッシュ)『リチャード三世』 原作:ウィリアム・シェイクスピア 翻訳:松岡和子 演出:河内大和

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河内大和が主宰するG.Garage///の公演を初めて観てきた。河内大和のリチャードは期待通りとてもよかった。以前インタビューに『リチャード三世』はライフワークと本人が答えている記事を読んだ覚えがあるのだけど、リチャードの不自由な身体を表わすために劇中ずっと腰を極端に屈めて足を引きずるという負荷を掛けていて、芝居の上手さはもちろん身体性の強さも目の当たりにした。ドラムとサックスの生演奏、奥と上手にアクリルの椅子を並べただけのシンプルな舞台、基本的に白くフラットな照明(殺人のシーンでは赤になる)。場面のカットはあるけれど原作から大きく外れることはない上演で、ただ出演者それぞれに見せ場を作ろうとして、場面によってはそこだけ浮いて見えるというか余計なものが入った感じがするというか、私は楽しめなかった。出演者の技量にもけっこう差を感じて、すごくいいなと思う人と、単純に台詞が拙いということだけではなく自分のことしか考えていないような芝居をする人との落差が激しい。エネルギッシュではあるけれど作品としてあまり面白いと思えなかったのは残念だった。