『ディア・エヴァン・ハンセン』

11/26 TOHOシネマズ日比谷で『ディア・エヴァン・ハンセン』

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2015年にブロードウェイで初演されたミュージカルの映画化との事で、主人公は対人不安障害を持つ高校生のエヴァンだ。セラピーの一環として自分宛てに書いた手紙を巡って彼がついたひとつの嘘が瞬く間にSNSで拡散されて、エヴァンは一躍注目の的になる。ネット上に共感や感動の波は大きく拡がって、しかしそこに綻びが見つかれば攻撃の対象にされるのもあっという間だ。自分の嘘のせいで他者も自分自身も深く傷つけてしまったエヴァンが、自分を見つめ直し失意の底から立ち上がり一歩を踏み出す物語であり、間違いを犯したひとに対する赦しの物語でもあると思った。この映画ではSNSが題材になっているので、スクリーンにはパソコンやスマホの画面がやたらと出てくるのだけど、さらにこれはミュージカル映画なので登場人物が歌う時はその歌詞が字幕で出てくる。その時にスクリーンに映っている例えばスマホのLINEで交わされている会話(もちろん英語の文章)まで訳して出すことは文字数の制限がある中では不可能。なので途中このスマホ画面上の会話が誰と交わされているのか、何を伝えているのか、よく分からないシーンが結構あった。もちろん物語の大筋に大きな影響はないし、字幕でも最低限の人名とか単語は出すように頑張っていたけれども、そうすると目に入ってくる情報を追うのに忙しくなって、字幕に頼る限界を感じて残念な気分は残った。