午前十時の映画祭『グッドフェローズ』
11/25 TOHOシネマズ日本橋で『グッドフェローズ』(1990年)
マーティン・スコセッシ監督がブルックリンを舞台に暴力と殺しに明け暮れる男たちの姿を生々しく描いた“実録”ギャング映画。ニューヨークマフィア界に実在したヘンリー・ヒルという男を題材にしている。久しぶりに観たけれどスクリーンで繰り広げられる残虐な暴力シーンの数々は身が竦むような迫力だ。息をするように人を殺す男たちの群像劇。とにかく極悪非道のとんでもない奴ばかりで、特にジョー・ペシの凄まじい狂犬ぶりは圧巻だ。メイキング映像にもあるけれど計算されつくした長回しのシーンも目が離せない。この映画は主人公のヘンリーとその妻カレンの語りで進んでいき、2人は誰に向かって話しているのかを気にして観たことがなかったのだけど、これは情報提供者となって検察側の保護下に置かれた夫婦の取り調べに対する供述、ギャング組織の内幕を明かし、組織を売ると決意するまでに何があったのかを検察官に語っている言葉なのだと今回はそのように受け止めた。
