『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イブニング・サン別冊』

2/8  TOHOシネマズシャンテで『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イブニング・サン別冊』

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フランスの架空の街を舞台に綴られるオムニバス映画。「フレンチ・ディスパッチ」はカンザスにある新聞社がフランスの支社で発行している雑誌という設定で、アメリカ生まれの編集長の急死によって雑誌の廃刊が決まり、次に出るのが最終号だと映画の冒頭で明かされる。そうとは知らずに曲者の執筆者たちが書いた記事を映像化した3つの物語に、その記事が書かれた時にそれぞれの執筆者と編集長の間で交わされた会話のシーンが挿入される。3つの物語はどれも監督ウェス・アンダーソンのユーモアとひねりが効いていて面白く、豪華な俳優陣が次から次から出てきて観ていてとても楽しい。一枚の絵のようにこだわり抜いた構図、突然アニメーションで描かれるシーン、モノクロになったりカラーになったりする映像、エンドロールで紹介される「フレンチ・ディスパッチ」誌各号の表紙イラストなどなど、全編通して監督の遊び心とセンスが炸裂していて、その独特の世界を気持ちよく旅したように感じる映画だった。ただ登場人物たちがフランス語にしろ英語にしろ結構みんな言葉数が多いので、それに字幕が追い付かないというか、かなりの意訳だろうなと感じるところもあり(もちろん字幕なしでは全然理解できないので字幕監修の方にはいつも感謝しかないのだけれども)時々掴み切れない部分があったのは残念。

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