『斬られの仙太』

4/14 新国立劇場小劇場で『斬られの仙太』 作:三好十郎 演出:上村聡史

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新国立劇場のフルオーディション企画第三弾で、新シリーズ「人を思うちから」の一作目。そのまま上演すると7時間超えという三好十郎の大作を、休憩2回を含めて4時間20分にまとめ、戯曲上80余りあるという役々を16名の俳優で演じていく。この公演ではフルオーディションの良さがよく活かされていたと思った。きつい傾斜の八百屋舞台に膨大な台詞量は演じる側には大変そうだけれども、まさに適材適所と感じる配役で、掴み取った役に対する俳優たちの熱量がひしひしと伝わってきた。幕末の動乱期を舞台に、土に生きる民百姓の姿を力強く描いて、スピーディーな展開に上演時間の長さは全く気にならなかった。