半藤一利『日本のいちばん長い日』『ノモンハンの夏』『なぜ必敗の戦争を始めたのか ー 陸軍エリート将校反省会議』

3/15『日本のいちばん長い日 決定版』読了。

4/6『ノモンハンの夏』読了。

4/16『なぜ必敗の戦争を始めたのか—陸軍エリート将校反省会議』読了。

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2月に観た舞台(劇団チョコレートケーキ「帰還不能点」)の参考書籍に半藤一利氏の編著があり、あわせて代表作の2冊を今更ながら読んだ。当事者たちに取材を重ね、膨大な資料や文献にあたり、平明かつ軽妙な語り口で「その時に何があったのか」を読者に示してくれる。歴史を知ることに加えて、読み物として『日本のいちばん長い日』に非常に引き込まれた。1945年(昭和20年)8月14日の正午から、ラジオの玉音放送を通じて国民にポツダム宣言の受諾を知らせる8月15日正午までの24時間を、1時間ずつ24章に分けて描いている。「これはまさに24-TWENTY FOUR-」とか思ってしまったけれども、1965年に初版刊行の書籍がドラマより先であることは言うまでもない。その1時間1時間、宮中、軍部、青年将校たち、玉音放送に係わるNHKの職員等が、何を考え、どう動いていたのかを並行して描写し、そこで起きた出来事を多面的・立体的に立ち上げる。また玉音放送があったことは史実として知りながらも、構成の面白さから「この先どうなるのだろうか、これで本当に玉音放送はされるのだろうか」と、さながらサスペンス小説を読んでいるような気持ちにもなった。この大ベストセラーをもっと早く読まなかったことを悔いた。