『43年後のアイ・ラヴ・ユー』
2/1 シネ・リーブル池袋で『43年後のアイ・ラヴ・ユー』
アルツハイマーを患って施設に入った昔の恋人リリィに会うために、自分もアルツハイマーの振りをして同じ施設に入居するクロード。二人で過ごした日々の思い出を毎日語りかけ、リリィが好きだった百合の花やガーシュインの曲を贈ったりするのだけど、クロードの事を完全に忘れているリリィの記憶はなかなか戻らない。クロードは元演劇評論家、リリィはトニー賞候補になったこともある舞台女優だったということで、「欲望という名の電車」とか「王女メディア」とか、リリィが演じてきた舞台の話が出てきたりして演劇が好きなひとは心をくすぐられる設定だ。そしてクロードが孫娘と学友たちに頼んで施設内で上演するシェイクスピアの「冬物語」。これはリリィが過去に演じた中でも大絶賛された作品で、クロードが願っていたとおり、観ているうちにいつしか舞台に上がり堂々と役を演じ始めるリリィの姿がとても美しくて泣いた。年を重ねても愛し愛されることは素敵だと伝えるロマンティックな映画だった。
