『どん底作家の人生に幸あれ!』

2/3 TOHOシネマズシャンテで『どん底作家の人生に幸あれ!』

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ディケンズの小説「デイヴィット・コパフィールド」の映画化。邦題のセンスのなさには唖然とするけれども、貧しい孤児の少年がさまざまな出会いや経験を通して成長し、小説家として成功する姿を描いた温かくてとても楽しい映画だった。変人揃いの登場人物たちだけどみんな憎めない愛すべきキャラクターで、特にこの映画では主人公のデイヴィットを演じるデヴ・パテルがインド系であることを始め、人種の多様性に富んだキャスティングが非常に魅力的だ。多彩な俳優たちが演じることで、ヴィクトリア時代のイギリスの物話がぐんと現代に近づいたように感じられたし、人種だけでなく出自が富裕層か貧困層かで線を引いて、その人自身を見ずにカテゴリーで括ってしまうことの愚かさもまた分かりやすく描かれていると思った。