ほろびて『コンとロール』

1/25 下北沢OFF・OFFシアターで、ほろびて『コンとロール』作・演出:細川洋平

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人と人の間に引かれた「線」について描いた前回公演『ぼおだあ』は、とても観たかったけど予定が合わず、今回初のほろびて。前半はクスクス笑いながらのんびり観ていたのだけど、プレステのコントローラーで他者を思い通りに動かせるようになった男の支配と暴力がエスカレートしていく後半は、目をそむけたくなるような展開に息をするのも辛くなった。恐怖心に縛られ服従を強いられていく様は実際に起こった監禁事件のニュースを思い起こさせるし、自由に動くことが制限された状態はコロナ禍の現在と重なる部分も感じられる。また劇中で描かれる男性優位思想による女性支配は非常に不快であるけれど、最後にこの悲惨な状況に立ち向かい生きることを諦めないのが二人の女性であることが救いと言えるかもしれない。他者を支配したいという欲望はどこからくるのか、自分自身で考えることを止め他人の意見に諾々と従う意識が支配者を生んでいるのではないか、観劇後もいろんな思いがぐるぐる頭を離れずにいる。すごい熱量を持った作品だった。俳優陣6人全員ほんとうに素晴らしかった。