ほろびて『ポロポロ、に』

10/27 北千住BUoYで、ほろびて『ポロポロ、に』 作・演出:細川洋平

f:id:izmysn:20211030165110j:plain
f:id:izmysn:20211030165120j:plain

キャンプにやってきた兄妹とその友人の男。街角のコインランドリーで知り合いになった3人の女。現在と過去を行き来しながらふたつの物語が交差していく。暴力や虐待の被害者、自分の居場所が見つからない人、日本に住む外国籍の人、過去のあやまちに引きずられる人。登場人物たちの交わす言葉から浮かび上がってくるその姿たち。河川敷でのホームレス生活をこれはキャンプだと称してゴミ漁りを薪拾いと称して暮らしていた3人は“あいつら”になぶり殺しにされ、コインランドリーの3人はずっと言えずに抱えてきた想いを口にする事でしがらみを断ち切り新たに歩き出そうとする。ほろびては「コンとロール」で描かれた暴力と支配の世界が本当に衝撃的だったので、どうしてもその印象と比べて観てしまうのだけど、今作は今ひとつ整理されていないというか、詰め込み過ぎたような感じを受けた。社会の中でそれこそポロポロこぼれおちていく人たちが居る現実は確かにある。そこで発せられる声を拾い集めた作品と言えるのかもしれない。ただ、観ていて何故そうなったのか分からない展開があって、私が台詞を聞き逃したのかもしれないけれど、そこは説明がないと繋がらないと思われる部分だったので、そこらあたりが気になって消化不良な気分になってしまった。