GWに観た映画3本『パーム・スプリングス』『KCIA 南山の部長たち』『戦場のメリークリスマス 4K修復版』

5/2  UPLINK渋谷で『パーム・スプリングス』

5/4  下高井戸シネマで『KCIA 南山の部長たち』

5/5  UPLINK渋谷で『戦場のメリークリスマス 4K修復版』

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『パーム・スプリングス』 タイムループに閉じ込められたサラとナイルズを演じた二人がとてもチャーミングだった。すごい美男美女とかではないし、お互いにダメなところもいっぱいあるけど、いつしか相手が唯一無二のひとになり、一緒にいたいという想いが膨らんでいく様子が可笑しくて可愛くて、なんとも楽しいラブコメディだ。そしてこの映画ではタイムループから抜け出すことを決意して主導権を握るのがサラであり、お気楽に諾々と日々を過ごしていた優柔不断なナイルズがサラを想う気持ちを力にして前に進む決心をするところがとても良いと思った。

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 『KCIA 南山の部長たち』 なぜ韓国の中央情報部(通称:KCIA)部長が大統領を殺害したのか。事件の40日前から当日までの出来事を追って、その謎に迫るサスペンス映画。権力闘争に敗れたゆえの復讐か、独裁政治の横暴に対する義憤か。史実を基にしたフィクションであるこの映画は後者の立場を取っており、正義感からの行動として描いているけれども、男社会の序列への拘り、嫉妬の根深さ、水面下で物事が決まる恐ろしさもひしひしと伝わってくる。主演のイ・ビョンホンを始め、俳優陣の演技は緊張感に溢れていてとても見応えがあった。

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戦場のメリークリスマス 4K修復版』 1983年の公開時からこれまで、何度観ても引き込まれる力を持った映画。デヴィッド・ボウイの美しさには文句なしに圧倒される。坂本龍一ビートたけしの存在感もすばらしい。あらためてこのキャストだからこそ醸し出される色合いがこの映画の魅力なのだと思った。セリアズ少佐とヨノイ大尉の間で交わされるエモーショナルな視線。ハラ軍曹とロレンスが築く友情めいた感情。セリアズが回想する弟とのエピソードも心に響く。戦争の時代を背景に、極限状態に置かれた男たちの心の繋がりを描き、そしてエンドロールに流れるテーマ曲「Merry Christmas, Mr.Lawrence」はやはり名曲だ。 

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 この間、チケット予約済みだった『パンドラの鐘』(4/28 東京芸術劇場シアターイースト)と、ほりぶん『これしき』(5/4 北とぴあ)が公演中止になってしまい、今月とても楽しみにしているコクーン歌舞伎『夏祭浪花鑑』とNODA・MAP『フェイクスピア』もどうなるか…。中止にならないことを願いつつ今後の発表をただ待つのみ。