1月前半に観た映画3本『ザ・プロム』『新 感染半島 ファイナル・ステージ』『スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち』

1/2 UPLINK吉祥寺で『ザ・プロム』

1/3 TOHOシネマズ日比谷で『新 感染半島 ファイナル・ステージ』

1/13 TOHOシネマズシャンテで『スタントウーマン  ハリウッドの知られざるヒーローたち』  

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 『ザ・プロム』 好きな女の子を誘ってプロムに行きたいという、レズビアンの高校生エマの願いを叶えるため、ブロードウェイの落ち目俳優たちが奮闘する。売名目的だった俳優たちがいつしか本気になってエマを応援し、自分たちもまた新たな一歩を踏み出していく様を描いて、思っていた以上に楽しめる作品だった。めっちゃ元気に歌って踊るメリル・ストリープを観ているだけでお腹いっぱいになる。ただ去年「ブックスマート」を観たときに、舞台になるカリフォルニアの高校ではトランスジェンダーの生徒に配慮してトイレが男女別になっていないという描写があり、アメリカはそこまで進んでいるのかと感心したということがあって、この映画はインディアナ州の田舎町にある高校という設定なのだけど、エマの願いが大問題になる展開に、まだまだ不寛容な地域もあるのが現実なのだと思った。それにしてもカップルで参加が前提のプロムという行事は、それこそ寛容さにはほど遠い在り方ではないのかと考えてしまう。

『新 感染半島 ファイナル・ステージ』 スピード感のある展開、マッドマックス怒りのデスロードかというような激しいカーチェイス、など見どころはたくさんあるのだけれど、列車の中という密室を舞台にした前作「新感染 ファイナル・エクスプレス」の方が格段に面白かったと思う。続編ということで前作から4年後という設定なのだけど、ゾンビは圧倒的な数に増えて国中に広がっているし、主人公たちは助かっても朝鮮半島に未来はないであろう結末。極限状態に追い詰められた時に何を選択するのか試され、それでも正しくあろうとする人間の葛藤を描く点は前作通りのゾンビ映画だった。

『スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち』 出演女優の代役としてスタントを務める女性たちの姿を追ったドキュメンタリー映画。チラシにもある数々の映画のアクションシーン、そのスタントの舞台裏が次々に明かされて、まさに命がけの現場に驚く。男社会のスタント業界の中で「女には到底無理」という言葉と戦ってきた先駆者たち。怪我や傷は当たり前の日々の中で、様々な格闘術を学び、バイクや車の運転技術を磨き、高所から落下したり火だるまになったりヘリから吊るされたり、あらゆるスタントに備えて努力を重ねている現役世代たち。自分が代役を務める女優に体型を近づけるためのダイエットや、本人が演じているように見せるために演技も勉強するという。悲惨な事故を起こさないためには「出来ない」と伝える勇気が必要な時があることも。そのプロ意識を敬意を持って伝える良い映画だった。