『Coda コーダ あいのうた』

1/25  TOHOシネマズ日比谷で『Coda コーダ あいのうた』

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2014年のフランス映画「エール!」のハリウッドリメイク版。聴覚障害を持つ家族の中で生まれ育った健聴者の少女が、歌手になる夢を家族に理解してもらおうと奮闘する。一家の家業を酪農から漁業に、弟がいるという設定を兄に、父親の市長選立候補を漁業組合設立に変更するなど、大枠でいくつか変えている部分はあるものの、物語自体を変にドラマチックに盛り上げるような演出はせず、元の映画のブラックジョーク的なエピソードもうまく上品に展開に織り込んで、とても誠実な創り方になっていた。実際に聴覚障害を持つ俳優が家族を演じており、手話で交わされるやりとりの感情表現の豊かさ、饒舌とも感じる躍動感は、声での会話となんら変わりがないことに気付かされる。そしてフランス版よりも家族の愛の物語という面が強調されているように感じた。ちなみに元の映画の原題は「La Famille Belier」(ベリエ家)なのだけど、リメイク版の「Coda」は、Children of Deaf Adults(聴覚障害の親を持つ健聴者の子供)の略であり、音楽用語で楽曲の終わりの部分を指す言葉でもあるということで、映画の内容に寄り添うタイトルになっていると思った。

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