ナイロン100℃『イモンドの勝負』

12/1 本多劇場ナイロン100℃『イモンドの勝負』 作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ

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ナンセンスコメディと謳って上演された今作は、意味を追ったり理屈で考えようとしてもこれは迷子になるだけだと幕開き早々に気が付いたので、手練れの俳優たちの掛け合いをひたすら楽しんで観ることに専念した。場内爆笑というような展開ではないのだけど、個々の俳優から醸し出される空気が何とも言えず可笑しい。その時ではなく一瞬考えて一呼吸遅れてから吹き出してしまう感じ。噛み合わない言葉とか立ち居振る舞いで笑ってしまうシーンもあるけれど、どこかしら不穏で不吉な人たちの間に漂ういびつなムードというか成り立っているようで外れている関係というか、そんなズレたところから滲みだしてくる捻じれた可笑しさ。俳優陣は劇団メンバーはもちろん客演の3人も良かったけれど、特に赤堀雅秋のチャーミングな得体の知れなさがめちゃくちゃ面白くて最高だった。何を考えているのか全く読めない満面の笑顔で次は何をやってくれるのだろうとワクワクして目が離せなかった。

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