城山羊の会『ワクチンの夜』

12/9 三鷹市芸術文化センター星のホールで『ワクチンの夜』 作・演出:山内ケンジ

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ワクチン接種をした夜に、ある家族の居間で起こる出来事。城山羊の会は『埋める女』『あたしに触らないで!』と観てこれが3作目だけど、今回も岩谷健司と岡部たかしの安定感が半端ない。もうこの2人を観ているだけでしあわせというか、ああ城山羊の会だなと安心できるというか。登場人物たちが内に抱えた性欲が、あからさまだったり仄めかされたりしながら観客に示されて、いけないものを覗き見るような感覚がじわじわと迫ってくる。誰に・何に欲望を抱くかというのは超個人的なことだけれども、そのこだわりは傍から見るとどこかしら滑稽だったりもするのだと思う。不謹慎な笑いを何度も笑った。それにしても舞台上に身を隠すものひとつない全裸であんなにも普通になんでもなく立っていられる岩谷健司という役者はいったい何なんだと心の底から感心した。