『ローズメイカー 奇跡のバラ』

6/2 ヒューマントラストシネマ有楽町で『ローズメイカー 奇跡のバラ』

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独り身でバラが人生のすべてというエヴ。数々の賞に輝いてきた栄光も今は昔、大企業に顧客も受賞も奪われて、父親が遺してくれた小さなバラ園は倒産寸前。助手のヴェラはなんとか経営を立て直そうと、職業訓練所から社会復帰を目指しているフレッド、サミール、ナデージュの3人を格安で雇うことにする。最初はなかなかうまくいかないエヴと3人だけど、新種のバラを生み出す目標に向かって力を合わせていく中で、少しずつ信頼関係を築いていく。いくら賞が欲しいからとはいえ、ライバル企業に対する盗みを3人に強要するのはさすがにやり過ぎと思ったけど、フレッドが非常に優れた嗅覚の持ち主であることを示す伏線にはなっている。盗んだ株で交配させたバラは失敗作に終わり、そしてそれこそ自然の奇跡によって予想もしなかった新種のバラが生まれ、一発逆転、バラ園は危機を免れる。血のつながりを超えて絆を深めていく人たちそれぞれの成長を描き、エヴの紹介でパリで調香師として働くことになったフレッドに、エヴが花言葉で送った言葉の意味が明かされるラストのシーンがとても良かった。