やしゃご『てくてくと』

4/23　こまばアゴラ劇場で青年団リンク やしゃご『てくてくと』を当日券で。

私が小学生の頃、発達障害という言葉は聞いたこともなかったけれど、どのクラスにも一人か二人はちょっと変わった子がいて、今よりも世の中が大雑把だったのだろう、それは特に声高に話題にすることでもなかったし、そのまま個性として受け入れている感じがあったと思う。例えば落ち着きがないとかこだわりが強いとか、そんな行動にいろいろな症状としての名前がついて、一昔前とは異なって他者とのかかわり方や距離感が難しい問題になりがちな昨今、この劇中にも何度も出てくるけれど「普通」とか「普通じゃない」という意識はどこから生まれ、何を基準に線を引いているのか、あらためて考えさせられる作品だった。他者から自分がどう見られているか、そして自分は他者をどう見ているか。どうして人はこんなにも「評価」や「承認」に拘るのだろう。ここで描かれる各々の「生きづらさ」はリアルで、演じる俳優陣もみんな好演だった。